PCオーディオを作る -顛末記その1-


パソコンに繋いでいるスピーカーは、FOSTEXのPM0.3だ。数年前に買って以来いい音を聴かせている。ディスプレイの脇で邪魔にもならず、正直何の不満もなかった。

それが、なぜPCオーディオなのか。

きっかけは、やはり春先に出会った300B真空管シングルアンプだっただろう。澄んでいて、それでいてふくらみと艶のある音で、何時間でも聴いていたいと思わせるのだ。
そんなわけで、物置部屋に机を持ち込んだだけの遊び部屋でも、家人に気兼ねなくいい音を響かせたい。そんな思いがフツフツと沸いてきたのである。
そうとなると話は早い。300Bシングルを組み立てる前に読んだ『真空管アンプの素』の著者、木村哲氏(ぺるけ氏)が膨大な情報を惜しげもなく公開(『情熱の真空管アンプ』)しているアンプを作ってみよう。ズブの素人だから、選んだのは基本の6N6P全段差動プッシュプル・ミニワッター。名前のとおり出力が1Wにも満たないアンプだが、音にうるさい真空管アンプ愛好家の間でもすこぶる評判がいいようだ。プッシュプルの音というのを一度聴いてみたかったこともある。

ベテラン自作派諸氏にとっては気に入ったパーツを求めての秋葉原歩きもこたえられない愉しみなのだろうが、初心者にはチト荷が重い。まして、地方在住の身には秋葉原は遠い存在だ。
そんな悩みに応えて、ぺるけ氏は部品の頒布も行っていらっしゃる。

手ダレの自作派をもってなる諸兄は、ぺるけ氏の設計を基にさまざまなカスタマイズを行っていて、それぞれの個性とおおげさにいえば哲学とでもいったようなものさえ感じられるほどであるが、悲しいかな、付け焼刃の知識と技術しか持ちあわせない僕としては、ただひたすらぺるけ氏の設計を模するしかない。というより、それで精一杯なのだ。

なんとか胸突き八丁を越えたが、ひとつひとつの部品を平ラグにハンダ付けしていくあたりが一番楽しい時間だ。

なんとか胸突き八丁を越えたが、一つ一つの部品を平ラグにハンダ付けしていくあたりが一番楽しい時間だ。

抵抗器のコードを読み違えてハンダすること1回、平ラグのハンダ手順を前後すること数回、なんとかカタチをなすまでにこぎつけた。

300Bシングルに比べるとかわいいトランス

300Bシングルに比べるとなんともかわいいトランスだが、実力はあなどれないのだという。

急がず、あわてず、気のむくままに取り組むこと半月あまり、完成だ。もちろんうれしいが、チョットさびしくもある。

小さくかわいらしい6N6Pだが、れっきとした双3極管だ。

小さくかわいらしい6N6Pだが、れっきとした双3極管だ。

「火入れ」後まだ数時間しかたっていないが、追々エイジングがてら気に入ったCDを聴いていくことにする。

次回はDAC製作篇です。

 


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atmos-nwp の紹介

主に50~80年代の海外ミステリーの紹介を兼ねて読後感を綴っています。本格、倒叙、ハード ボイルド、冒険、スパイ、安楽椅子、ユーモア系等ジャンルは問わず読み散らかしてきました。ときには散歩の道をそれて50~70年代のモダンジャズやスキー、バラ園芸にもふれています。HP「気象と気候値のページ」も運営していますので、興味のある方は一番上のタイトルの下にある<気象と気候値のページへ>をクリックして是非お立ち寄り下さい。
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