美しき女性ヴォーカリストたち


前回は、偶然にも歌い手ご本人のお顔がクローズアップされたジャケットばかりだったので、それじゃあ全身が写っているジャケットを、と手持ちのなかからさがしてみたが、これはとおもうのは意外に少なかった。
そんななかから一枚を。

先頃、ラジオのとあるJAZZ番組で何十年かぶりにダイナ・ショアを聴いて、懐かしさのあまり”ブルースの花束”(Bouquet of Blues)をCDで入手した。
全くの印象にすぎないが、あの時代のアメリカの”良き家庭”に受容された存在は、ドリス・デイと彼女あたりだったのではないか。次元はまったくちがうが、キャサリン・ヘップバーンが知性と情熱をあわせもったアメリカ女性の理想であったように。

ブルースの花束 / ダイナ・ショア / CD ( Music )

BMG JAPAN( 2002-04-24 )

定価:¥ 2,160 ( 中古価格 ¥ 1 より )



数多くのポピュラーヒット作をもつ歌手のひとりにジュリー・ロンドンをあげることができるだろう。彼女の作品を積極的に聴きこんだという記憶はないのだが、ラジオなどで耳にした憶えはかすかにあって、今回あらためて聴いても”クライ・ミー・ア・リヴァー”(Cry me a River)などはやはり惹きこまれる歌唱だと思う。

プレミアム・ツイン・ベスト クライ・ミー・ア・リヴァー~ベスト・オブ・ジュリー・ロンドン / ジュリー・ロンドン / CD ( Music )

EMIミュージックジャパン( 2010-06-30 )

定価:¥ 2,000 ( 中古価格 ¥ 1,219 より )



ペギー・リーといえば、一時期のジャズ喫茶でまたかというほどかかっていた”ブラック・コーヒー”(Black Coffee)がやはり思い浮かぶ。けだるい歌い出しとはうらはらに、コーヒーポットとカップの明るくお洒落なジャケットデザインが印象的だったが、ここは少しヘソをまげて”Best of Peggy Lee”にしてみた。
理由は、”フィーヴァー”(Fever)を聴くことができるから、という単純なことだ。

Best of Peggy Lee / Peggy Lee / CD ( Music )

Blue Note Records( 1997-11-18 )

定価: ( 中古価格 ¥ 1,000 より )


ブラック・コーヒー / ペギー・リー / CD ( Music )

ユニバーサル ミュージック( 2014-10-08 )

定価:¥ 1,080 ( 中古価格 ¥ 500 より )


結果論だが、実は今回の三枚にも共通点がある。
三人が三人ともそろって美しい歌い手なのだ。こう言い切ってもまず異論はないでしょう。
しかし、この三人の美しい女性歌手たちはそれぞれかなり異なったイメージで受けとめられていたようだ。
ジュリー・ロンドンは当時セックスシンボル的な存在として人気を博した、というのがおおかたの一致する世評らしいが、時代を経てあらためて彼女の歌唱を聴くと、そんな世評などどうでもいいくらいうまいし惹きこまれるものがある。
一方で、ダイナ・ショアは知的な気品をもった歌い手としてテレビのMCとしても活躍の場を広げたようで、ジャケット写真にもそんな雰囲気があらわれている。
そして、ペギー・リーはといえば、ふたりの中間とでもいったイメージだったのだろうか。

とりとめもなくこんなふうに書いてきて、いちばん大事なことを忘れていたことに気がついた。
それぞれ違った雰囲気をもつ三人の女性歌手にはもうひとつの共通点があった。美しさはもちろんのこと、一瞬で別の世界に惹きこまれてしまう歌のうまさと魅力的な声は三人とも同じで、いろんな意味で当代を代表する歌い手だったのだろう。

けしていい聴き手だったとはいえないが、そう強く思う。


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atmos-nwp の紹介

主に50~80年代の海外ミステリーの紹介を兼ねて読後感を綴っています。本格、倒叙、ハード ボイルド、冒険、スパイ、安楽椅子、ユーモア系等ジャンルは問わず読み散らかしてきました。ときには散歩の道をそれて50~70年代のモダンジャズやスキー、バラ園芸にもふれています。HP「気象と気候値のページ」も運営していますので、興味のある方は一番上のタイトルの下にある<気象と気候値のページへ>をクリックして是非お立ち寄り下さい。
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