聖地探訪


所用のため数年ぶりに上京した。
夜までは用もないので、せっかくの機会だからと秋葉原から神保町界隈を歩いてみる。

十数年ぶりにJR秋葉原駅の電気街口に降り立った印象は、「変わっていない」。目に飛び込んでくる派手な電飾や雑然とした喧噪は以前と同じだが、中華系やアジア系とおぼしき人びとの多さは以前は見られなかった光景だ。
ほとんどのシャッターが下りているニュー秋葉原センターの細い通路の奥に春日無線変圧器はあった。間口二間ほどだろうか、トランス、真空管、アンプ類が並ぶ店の奥で店主らしき人物が黙々とパソコンにむかっている。長年変わることなくここで商いを営んでこられたのだろう、寡黙そうな姿に不思議と何かうたれるものがあった。

 

ニュー秋葉原センターの通路奥に

ニュー秋葉原センターの通路奥に

店内

店内

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次は、ラジオセンターへ。一階の細い路地をゆくと三栄電波がある。コンデンサやボリュームが数多くあって目移りするが、気に入った削り出しのアルミボリュームを買ったあと、東栄変成器の店前を流す。
大きなハキハキ声で勘定を伝える店主がいるネジの西川では、3㎜の真鍮ビス・ナット・ワッシャーなどを皿に入れて買う。
通りを渡ってラジオデパートに。ここはひととおり流し見ただけで、向かいのオヤイデでAWG18の線材を調達する。
最後にお約束の秋月電子通商と千石電商参りをすませれば、ひとまず念願のアキハ訪問はとどこおりなく完了だ。あとでノグチトランス訪問を忘れていたことに気づくがすでにあとの祭り。

千石電商。店頭の雰囲気からして、何でもそろっている感が。

千石電商。店頭の雰囲気からして、何でもそろっている感が。

秋月電子通商。この店内も活気にあふれていた。

秋月電子通商。この店内も活気にあふれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

お昼は、いつか行ってみたかった神田猿楽町の蕎麦屋、松翁へ。

きどりのないこざっぱりとした店構え。

きどりのないこざっぱりとした店構え。

昼時なので混んでいたが、一人客なので入り口に近い二人席に陣どる。天ぷらが美味いと評判なので品書きを見て「二色もり天ざる」を頼むと、おかみさんらしい女性が「天ぷらは(稚)鮎と海老がありますが、海老でよろしいですか」という。「海老でよろしいですか」という言いように、何か抗いようもない不思議な説得力を感じたせいか、思わず「海老で」と返事してしまったが、今になって考えると(稚)鮎も食ってみたかったなァ。
天ぷらはもちろんのこと、この店の「二色もり天ざる」は大変美味しゅうございました。あえて重箱のスミをつっつくとすれば、蕎麦つゆの節の香りが少し物足りなかったくらいだが、昨今の東京人はわりあい甘めのつゆを好むのかもしれない。

腹を満たした後は、いよいよ神保町めぐりだ。
まずは、あらかじめ目をつけていたすずらん通りに近いミステリー専門の羊頭書房。
店に入ると、小さいながら国内外のミステリーが書棚に所狭しと並んでいる。ここでは、ハヤカワポケミスの『新・幻想と怪奇』とアンドリュウ・ガーブ『レアンダの英雄』を買い求める。

羊頭書房。気どりがない店構えはいかにもミステリーやSFを扱う店らしい

羊頭書房。ミステリーやSFの店らしく、こさっぱりとした気どりがない店構え

次は歩くこと十分あまり、@ワンダー(アットワンダー)へ。
ここもハヤカワポケミスの宝庫だ。0番台から近年ものまでズラリと揃っているが、結局買い求めたのは店外の外壁を利用した書棚にあったバーゲン品。サイモン・ブレット『気どった死体』とパトリシア・モイーズ『死とやさしい伯父』の二冊、どちらも162円也と超お買い得品だ。

@ワンダー。現代的な雑貨ショップを思わせる店構え。

@ワンダー。現代的な雑貨ショップを思わせる店構え。

 

さすがに歩き疲れたのでコーヒーでもと思ったが、すでに約束の時間が迫っていることに気づき、もよりの東京メトロ九段下へと急ぐ。
秋葉原、駿河台下の蕎麦屋、神田古書街と、駈足での聖地探訪の一日でした。


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atmos-nwp の紹介

主に50~80年代の海外ミステリーの紹介を兼ねて読後感を綴っています。本格、倒叙、ハード ボイルド、冒険、スパイ、安楽椅子、ユーモア系等ジャンルは問わず読み散らかしてきました。ときには散歩の道をそれて50~70年代のモダンジャズやスキー、バラ園芸にもふれています。HP「気象と気候値のページ」も運営していますので、興味のある方は一番上のタイトルの下にある<気象と気候値のページへ>をクリックして是非お立ち寄り下さい。
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