全段差動PPアンプの製作(1)


ここ一年、ぺるけ氏のHP(『情熱の真空管』)と二冊の著書を教科書に、全段差動ミニワッター、FET差動バッファ式USB DAC、トランス式USB DAC、MCヘッドトランスを作ってきた。いずれも理論はあまり理解できないままであったが、HPの画像や細部にわたってのゆきとどいた解説を杖になんとか完成の陽の目をみることができたのは幸運だった。もっとも、当人は船大工だった母方の祖父の血を引いたおかげで手先には自信があるのだ、と勝手にうぬぼれているのだが。

情熱の真空管アンプ

著者/訳者:木村 哲

出版社:日本実業出版社( 2004-04-15 )

定価:

Amazon価格:¥ 17,684

単行本 ( 429 ページ )

ISBN-10 : 4534037406

ISBN-13 : 9784534037404


そこで、である。
このうえは、やはり全段差動PPアンプをめざすしかないだろう。
そう思い立って気長に部品を集め始めてみた。以下、半年あまりにわたった全段差動PPアンプ製作のアレコレを書きとめてみました。

まずは、シャーシ。
不定期に頒布されてはいるようだが、運悪く終了したばかりで次回の予定は未定のようだ。なかばあきらめかけていたところへオークションに出品されているのをみつけ、なんとか頒布価格と同程度で手に入れることができた。

次は肝にあたるトランスだが、ここで分岐点に直面することになる。
電源トランスを280~320VのTANGO製PH-185にするか、220~250Vのノグチ製PMC-190にするかで、それぞれなじむ真空管が違ってくるのである。基本的な設計は変わらないが、当然コンデンサや抵抗値も違ってくるようだ。
とりあえず、時々TANGO のPH-185がオークションに出てくるのを待って挑戦するも人気が高くあえなく討死にすること数回、ここはノグチのPMC-190にしようと思い切る。
次は出力トランスだ。これは最初からTANGO製FE-25-8にしようと決めていたが、オークションに参戦するもここでも惨敗を喫すること数回に及ぶ。
世の管球ファンって、TANGOというとどうしてこんなにもヒートアップするのかネ、と幸か不幸かデング熱ならぬTANGO熱に感染することのなかった身としてはただただあきれるばかりだ。
なんでも、TANGOトランス発祥の平田電機製作所が解散後、当時の従業員が立ち上げたISOという会社がTANGOブランドを継承したのだが、ここもだいぶ前に閉じたらしい。そういったわけで、今はもう入手不可能な稀少品と化したTANGO製品に我先にと群がるありさまで、価格の高騰ぶりも驚くばかりのようだ。
では、TANGOの名は消えたのかといえばそんなことはなく、ライセンスは山形県のW社に引き継がれているというのだが、いかんせん特注品のためちょっと手の届かない価格になっている。
それじゃあ、これに代わる出力トランスはないものかと再度ネット上を探すと、なんとあるではありませんか。
昨年(2016年)のこと、いったん閉じたISOが再度復活したのだという。さっそく新生ISOのHPをのぞくと、製品リストにTANGO製FE-25-8と同等仕様のFC-25-8というISOブランドのトランスがあるではないか。価格も手頃だ(値上げ前のことデス)。

ISO製PP出力トランス FC-25-8

ISO製PP出力トランス FC-25-8

ISO製電源トランス MS-3221

ISO製電源トランス MS-3221

 

 

 

 

 

 

TANGO全盛の往時を知らない身ではあるが、一管球ファンとして頑張っているISOを応援する意味でも、ここはひとつ買わない手はない。
ところが、ここでお調子者の本性をさらけ出してしまった。FC-25-8ペア購入でやめておけばいいものを、応援ついでにと280~320V電源トランスMS-3221まで注文してしまった。ぺるけ氏がLH-150を使われた例もあるので応用次第では使えると思うが、もちろんそんな技術は持ちあわせないので文字どおり宝の持ち腐れに等しい。決して安い買い物ではないので、いずれオークションに出すにしても、少しでも新生ISOの名を広めることでなにがしかの応援になれば全くのムダ金ではないと、言い訳にもならない屁理屈で自分を納得させるだけだ。

最後に、本質的な部分とは違うところで妙なこだわりをもつシロウトの浅ましさをひとつご披露しておきます。
外見がグレーハンマートーン仕上げのISO製FC-25-8と同じく、ノグチの電源トランスPMC-190にも同系色はないかと探してみると、黒色仕上げのMのほかにシルバーハンマートーン仕上げのSHがある。たぶん見栄えが格段に違ってくるだろうと、若干割高だがSHのほうを注文する。

ノグチ製電源トランス PMC-190SH シルバーハンマートーン仕上げ

ノグチ製電源トランス PMC-190SH
シルバーハンマートーン仕上げ

あとは、今までと同じように必要な部品をリストアップしてぺるけ氏に頒布をお願いし、残りは50㎞余り離れた町の今では貴重な部品屋に調達にむかう。この行き帰りも楽しいドライブだ。
かくして、全段差動PPアンプ製作にむけて、真空管を除いて主な部品は揃った。

 


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atmos-nwp の紹介

主に50~80年代の海外ミステリーの紹介を兼ねて読後感を綴っています。本格、倒叙、ハード ボイルド、冒険、スパイ、安楽椅子、ユーモア系等ジャンルは問わず読み散らかしてきました。ときには散歩の道をそれて50~70年代のモダンジャズやスキー、バラ園芸にもふれています。HP「気象と気候値のページ」も運営していますので、興味のある方は一番上のタイトルの下にある<気象と気候値のページへ>をクリックして是非お立ち寄り下さい。
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