白人女性ジャズシンガー


黒人女性歌手のあれこれについては以前に書き綴ったが、今回は好みの白人女性ジャズ歌手をとりあげてみました。

最初はオランダ出身のジャズシンガー、アン・バートンです。手許のアルバムは『ブルー・バートン』と『バラード&バートン』だが、聴くのはほとんど『バラード&バートン』です。『バラード&バートン』のアルバムジャケットデザインは、ご覧のとおりご本人のアップ写真でヨーロッパ的というか実にそっけないというか、もう少し工夫はないものかなどと思ってしまいますが、収められている曲はすべてが好ましい。

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それらのなかでも、最も短い「バンバン”Bang Bang”」は心をうつ歌です。「いそしぎ“The Shadow of Your Smile”」、「Try a Little Tenderness」などのスタンダード曲や「A Lovely Way to Spend an Evening」などは、言葉の一言一言をかみしめるように歌われていて、英語圏の出身ではないからこその何ともいえない味わい深さが感じられる。そして、バックをつとめるルイス・ヴァン・ダイクトリオのいぶし銀のような演奏にも触れておきたい。トリオにサックスが加わって厚みを増したバックバンドは、ヨーロッパ出身にふさわしく落ち着きと気品をただよわせるなかで、ときおりキラリとした美しさを放っています。

ハスキーボイスで知られたクリス・コナー。代表曲はあの『バードランドの子守唄” Lullabies of Birdland”』です。続いてはジューン・クリスティ。アルバム『サムシング・クール”Something Cool”』に収められた「朝日のようにさわやかに”Softly as in a Morning Sunrise”」は、誰が歌っても演奏しても胸にたまった澱を洗い流してくれる曲です。その代表はいうまでもなくMJQで彼らの十八番といっていいほどの曲ですが、ライブ・アット・ザ・ヴィレッジヴァンガードで見せたコルトレーン・カルテットの斬りこんでくるようなスピード感あふれる演奏も捨てがたい魅力にあふれています。それと、ウィントン・ケリーの演奏も好きだが、こちらはなぜか深夜に聴きたいニュアンスがある。

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クリス・コナー、ジューン・クリスティはいずれもスタン・ケントン楽団の専属歌手だったという共通の経歴があるそうで、同じ楽団の一番の姉貴格アニタ・オディを含めこの三人はいずれも歌がうまいうえに、そろって少し知的な感じの美人です。

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「ニューヨークのため息」、ヘレン・メリル。『ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン』の「You’d be so nice to come home to」は、聴き入るというのではなくいつも背中で流れていた曲のような感じで、うまい酒とともに緊張をほどいてくれる。このアルバムもクリフォード・ブラウンがいいですね。早逝したこのトランペット奏者は女性ボーカリストと相性がいいのか、あるいは彼女らに好かれたのか、ヘレン・メリルをはじめサラ・ヴォーン、ダイナ・ワシントンとの共演アルバムがあって、マックス・ローチとの共作だけでなくこの人の残したアルバムはあまり駄作がないと思う。

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きわめて異色ですが、ブリジット・フォンテーヌの『ラジオのように』というアルバムがあります。アート・アンサンブル・オブ・シカゴ(AEOC)との共作といっていいと思いますが、ある曲はさわやかに射しこむ朝日のように、またある曲はけだるい午後のまどろみのように、不思議で幻想的な世界にいざなわれるような魅力につつまれたアルバムでしたね。このアルバムのなかで一番好きな曲は、実は彼女のヴォーカルが入っていないAEOCによるきわめて短い楽曲です。弦楽器の響きが空から降ってくるようなこの曲を聴くと、必ず思い出すのははるか昔の子供の頃の夏休みだ。うすい空色が広がった夏空からまぶしく射しこむ陽の光のなか鳴きしきる蝉の声、午後ともなれば裏の竹林の明るい日蔭のなかをゆらりと飛んでゆく真っ黒なオニヤンマの勇姿。僕はといえば、古い家の奥まった座敷で何を夢みているのか、ひとときの午睡をむさぼっている。子供の頃の情景が鮮やかによみがえってくるのです。

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atmos-nwp の紹介

主に50~80年代の海外ミステリーの紹介を兼ねて読後感を綴っています。本格、倒叙、ハード ボイルド、冒険、スパイ、安楽椅子、ユーモア系等ジャンルは問わず読み散らかしてきました。ときには散歩の道をそれて50~70年代のモダンジャズやスキー、バラ園芸にもふれています。HP「気象と気候値のページ」も運営していますので、興味のある方は一番上のタイトルの下にある<気象と気候値のページへ>をクリックして是非お立ち寄り下さい。
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